教生模様

作品紹介

 たかが、二週間。されど、二週間。様々な思いを胸に抱えて、母校に集った若者たち。
 どこかにあるどこかの高校で、悲喜こもごもの人間模様に彩られた、教育実習が、今、始まる――。
 四人四色の主人公が語る四つのストーリー。縦に繋がり横に絡み合う掌編連作。


数学科 / 各務沼 京介

1日目 「予定不調和の基礎関数」
 こんな数式は予定外だぞ。僕の完璧な計算を狂わせたのは誰なんだ? 【原稿用紙:10枚】
2日目 「混迷を深める代数」
 ツキのない足し算で、僕に課されたベクトルはひどい数値をはじき出す。 【原稿用紙:15枚】

美術科 / 及川 大夢

1日目 「翼を失くしたイカロス」
 翼を固めた蝋が溶け落ちてしまったら、次はどこを目指せばいいんだろう……? 【原稿用紙:11枚】
2日目 「背中を蹴られたオルフェウス」
 辿り着くまで、振り返ってはいけなかったんだ。恋しくても。寂しくても。 【原稿用紙:17枚】

英語科 / 渡部 祐美佳

1日目 「One cannot love and be wise.」
 " 恋する人が賢明であるはずはない " ―― 背中合わせに歩き始めたあたしたち。 【原稿用紙:10枚】

国語科 / 早坂 沙都

1日目 「教生の密かな恋煩ひの事」
 今は昔。先生の生徒だった頃、私は先生のことが好きでした。 【原稿用紙:8枚】
2日目 「先生の大船に乗せ給ふ事」
 それはたぶん、度量という名の大きな船なのです。 【原稿用紙:12枚】

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